話題のDeepSeekとは?使い方コツと技術的特徴を徹底解説

前回更新 2025/02/18 更新者

人工知能(AI)分野で、DeepSeekは最近特に注目を集めています。この中国発のAI企業は、オープンソースのマルチモーダルAIモデルを提供し、非常にコストパフォーマンスに優れた技術ソリューションを展開しています。

本記事では、DeepSeekとは何か、DeepSeekの使い方コツと最新モデルの技術的特徴などを詳しく解説していきます。

目次

DeepSeekとは・開発企業

DeepSeek(ディープシーク)は、「杭州深度求索人工智慧基礎技術研究有限公司」という正式名称を持ち、2023年7月17日に設立されました。この会社は、大規模言語モデル(LLM)やその関連技術の研究開発に特化しており、人工知能の分野で技術的な進歩を目指しています。

特に、2025年1月に発表されたフラッグシップモデル「DeepSeek-R1」は、他の主要な競合と同等の推論能力や数学的スキルを持つとされています。

DeepSeekのチームは、経験豊富なAI研究者やエンジニアで構成されており、高効率で低コスト、かつ強力なAIモデルの開発に取り組んでいます。

DeepSeekは、中国のヘッジファンド「ハイフライヤー」によって資金提供を受けており、その開発方法はオープンソースであることが特徴です。これにより、誰でもそのコードをダウンロード、コピー、改良することが可能で、世界中の開発者や組織がアクセスし、利用できるようになっています。

DeepSeekのモデル紹介

DeepSeekは、最近注目を集めている中国の大規模言語モデル(LLM)で、いくつかの主要なモデルがあります。以下に、DeepSeekの主要な大言語モデルについて、主な機能・特徴及び他社モデルとの違いを分かりやすく紹介します。

DeepSeek V3

DeepSeek V3は2024年12月26日に発表され、6710億のパラメータを持つ混合専門家(MoE:Mixture-of-Experts)アーキテクチャを採用した大規模言語モデルで、効率的な推論とコスト効果の高いトレーニングを実現し、特に自然言語処理やプログラミングタスクにおいて優れた性能を発揮します。DeepSeek V3は性能面において、ChatGPT-4o、Claude 3.5に近い感じです。

DeepSeek R1

DeepSeek R1は2025年1月20日に発表された最新のモデルで、強化学習を用いて推論能力を向上させたため、数学やプログラミングのタスクにおいて優れた性能を発揮します。

R1とV3の違いの一つは、R1とチャットをするときに、すぐに返事が返ってこないことです。R1はまず、問題について思考過程を考えて、その後に回答を生成するというリーズニングモデルです。DeepSeek R1はOpenAI-o1と近い感じで、ただし、R1はその思考過程が見られますが、o1には不公開となっています。

モデル性能比較

モデルモデルタイプ公開/非公開精度応答速度料金
DeepSeek V3汎用公開★★★★☆高速無料
ChatGPT-4o汎用非公開★★★★☆速い有料
Claude 3.5汎用非公開★★★★☆速い有料
DeepSeek R1リーズニング公開★★★★★超高速無料
OpenAI-o1リーズニング非公開★★★★★高速有料
DeepSeekモデルと他社モデルの比較

DeepSeekの何がすごい

DeepSeek技術特徴

DeepSeek-V3はOpenAIのGPT-4oやAnthropicのClaude 3.5 Sonnetなどの最新モデルと同等、またはそれ以上の性能を持ちながら、コスト面での優位性を持つモデルとして注目されています。特に、推論速度の向上や効率的なトレーニング手法の採用により、実用性と経済性を両立しています。

また、OpenAIのChatGPTやAnthropicのClaudeのように、モデル、データセット、アルゴリズムが秘密にされているのとは異なり、DeepSeekはオープンソースです。つまり、誰でもダウンロード、コピー、改良することが可能です。そのコードや詳細な技術説明は自由に共有されており、世界中の開発者や組織がアクセスし、修正し、実装できるようになっています。

さらに、DeepSeekの最新モデル「DeepSeek R1」はOpenAI-o1並み強いと且つ料金も非常に安くて、さらにモデルが公開されているところでOpenAIを初めとして、米国のテック企業がさらに焦っているという状態なわけです。

そこで、DeepSeekが低コストでありながら高性能を維持している理由や、最新モデルR1の技術的特徴についてもう少し詳しく探ってみます。

MoE構造「Mixture of Experts(専門家の混合)」:計算リソースを動的に分配

MoE構造は、複数の専門家を組み合わせて、効率的かつ高性能なモデルを実現する方法です。特定のタスクに特化した専門家を選択し、その出力を統合することで、計算リソースを節約しつつ、精度を向上させることができます。

② RL「Reinforcement Learning(强化学习)」:トレーニング最適化

DeepSeekは強化学習(Reinforcement Learning)を用いることで、SFT(Supervised Fine-Tuning)への依存度が大幅に低下し、その結果としてモデルのトレーニングコストが大幅に削減されたことを示しています。

③ FP8「Floating Point 8-bit(混合精度計算)」:計算効率の向上

FP8技術は、数値を8ビットで表現することで、メモリや計算リソースを節約し、AIや機械学習の処理を高速化するための方法です。精度のトレードオフはありますが、効率性が求められる場面では非常に有用な技術です。

これらの要素が組み合わさることで、DeepSeekは低コストでありながら高性能を維持し、急速に市場での地位を確立しています。

DeepSeekの使い方

DeepSeekは、ウェブサイトやスマートフォンアプリから無料でご利用いただけます。また、APIサービスも提供しており、料金は他社のモデルに比べて非常にリーズナブルです。ユーザーはご自身のニーズに応じて、最適な利用方法を選択してください。

ウェブサイトでDeepSeekを利用する方法

1. DeepSeek公式サイトを開く

            ※ 右上で言語が選べる(英語または中国語)

          2. 「Start Now」をクリックDeepSeek使い方

          3. 携帯番号/メールアドレスまたはGoogleアカウントでログインDeepSeek使い方

          4. リーズニングモードを利用する場合、「DeepSeek(R1)」をクリックしてからチャットDeepSeek使い方

          スマホアプリでDeepSeekを利用する方法

          1. アプリストアからDeepSeekアプリを入手

          2. アカウントをログイン

          4. 「深く考える(R1)」(リーズニングモード)を選択してからチャットDeepSeek使い方

          GitMindでDeepSeekを利用する方法

          GitMind AIにも最新のDeepSeekモデルを追加しましたので、GitMindでDeepSeekも直接利用できます。以下はGitMindでのDeepSeek使い方を紹介します。

          1. GitMind AIチャットにアクセスして、「今すぐチャット」をクリックDeepSeek使い方

          2. 右上にある歯車アイコンをクリックして、「DeepSeek-R1」モデルに設定deepseek使い方

          3. これでGitMindでDeepSeek R1と会話できる

          DeepSeekのオートプット質を高めるコツ

          普段生成AIを利用する際に、AIを検索エンジンのように考えがちですが、実際には一度の検索で答えが得られるわけではありません。

          AIとコミュニケーションを取る際には、具体的な質問をすることが大切です。

          AIは職場のインターン生のようなもので、あなたの指導やフィードバックが必要です。この視点を持って質問してみてください。

          以下に、役立つ5つのテクニックを紹介します。

          ① AIにキャラクターを設定

          AIにキャラクター設定をすることで、隠れたスキルを引き出すことができます。DeepSeekは豊富な知識を持っているため、質問に対してさまざまな視点から答えてくれますが、具体的なシチュエーションを示さないと、一般的な回答しか得られません。

          具体的なキャラクターを設定することで、より良い回答が得られます。例えば、旅行プランを作成したい場合、「あなたは地元の熟練ガイドで、マイナーな観光スポットに詳しい」と伝えると、より詳細な回答が得られます。設定したキャラクターに基づいて回答するため、他の要素に影響されにくくなります

          ② フィードバックで回答を修正

          AIは人間の思考を模倣するため、普通の人と話すように接するのが効果的です。もし不満な回答を受け取ったら、率直に指摘しましょう。たとえば、DeepSeekに小説の紹介文を依頼した際に、あまりにも堅苦しい場合は「もう少しカジュアルにして」と伝えます。満足できない場合は、「味気ない」「もっと派手に」「絵文字を追加して」といった具体的なフィードバックを続けることで、徐々に良い結果が得られます

          要するに、AIが最初から完璧な答えを出すことは期待しないことが大切です。最初の出力を参考にしながら、どこを改善すればよいかを理解し、AIを上手に指導していきましょう。DeepSeekは文脈を読み取り、記憶を活用して、回答を最適化していきます。

          ③ AIの知識の盲点を利用して、無駄な回答の可能性を減ら

          要するに、AIに知らないことや不確かなことを認めさせることで、より信頼性の高い回答が得られます。たとえば、「2025年にAppleがどのようなスマホを出すか不確かであれば、可能性のパーセンテージで答えてください」と尋ねると、具体的な可能性を示す良い回答が得られます

          この方法を使うことで、どの情報を信じるべきかが明確になり、正答率も向上します。特に厳密な文書を書く際に効果的です。

          ④ 感情的な指示を使う

          AIは知識が豊富なため、普通の指示では控えめな表現になりがちです。

          感情的な言葉を加えることで、AIを刺激し、予想外の効果を得ることができます。たとえば、春の詩を依頼すると一般的な回答が返ってきますが、「サイバーパンク風の狂野な詩を」と指示すると、独自の表現が生まれます。

          強い言葉はAIの意味空間を活性化させ、創造的な出力を促進します。

          ⑤ AIに反論させる

          自分の意見に対して反論を求めることで、より質の高い回答が得られることがあります。

          たとえば、OpenAIの違反に関するニュースをAIに送ると、さまざまな視点からの反論が得られ、「技術革新には誤解がつきものだが、事実に基づかない非難は受け入れない」といった強い表現が返ってきました。AIはオープンな姿勢で技術交流を歓迎しつつ、企業の評判を損なう行為には法的措置をとる権利を持っています。

          この反論手法は、論文の効率を四倍向上させることが実証されています。AIは競争心が強い一面を持っているようです。上記のテクニックをマインドマップにまとめたので、こちらからご自由に確認・保存ができます。

          deepseek使い方コツ

          DeepSeekの料金体系

          DeepSeekの一般利用には、モデルを問わずに、ウェブサイトでもアプリでも全部無料で利用できます。最新のリーズニングモデルR1も無料で使えるので、個人の学習や研究目的であれば、Web版のみで十分に活用可能 です。

          開発者向けのAPIサービスも提供され、具体的な料金詳細は下記の表にまとめました。

          モデルDeepSeek V3DeepSeek R1
          入力料金
          (キャッシュヒット)
          $0.07$0.14
          入力料金
          (キャッシュミス)
          $0.27$0.55
          出力料金$1.10$2.19
          出典:DeepSeek API Docs: Models & Pricing

          DeepSeekの活用事例

          学術研究の効率化

          DeepSeekは、学術論文や研究資料の分析において、特定のテーマに関連する文献を迅速に収集し、重要なデータやトレンドを抽出します。研究者は、関連研究の要約を自動生成することで、文献レビューの効率を大幅に向上させ、新たな知見を得る手助けを受けることができます。

          コンテンツマーケティングの強化

          ブログや記事の執筆において、DeepSeekはアイデアのブレインストーミングツールとして機能します。特定のトピックに基づいてキーワードやテーマを提案し、構成を考える手助けをします。また、SEOを意識したコンテンツの最適化を行うことで、検索エンジンでの可視性を高め、読者の関心を引くことができます。

          データドリブンな意思決定

          DeepSeekは、大量のデータセットを迅速に処理し、ビジュアル化することでデータ分析の効率を向上させます。販売データや顧客の行動パターンを分析し、ビジネスにとって有益なインサイトを提供します。さらに、予測分析を行い、将来のトレンドや需要を見通す手助けをすることで、戦略的な意思決定を支援します。

          戦略的マーケティング

          DeepSeekは市場調査や競合分析に優れたツールです。消費者のフィードバックや競合他社の動向を分析し、ターゲット層の特定やニーズの把握を行います。これにより、効果的なマーケティングキャンペーンを設計し、ROIを最大化するための戦略を立案することが可能です。

          DeepSeekを利用する際によくある質問

          DeepSeekは無料で使えるのか

          現時点ではDeepSeekは無料で使えます。ウェブサイトでもアプリでも全部ただでご利用できます。ただしAPIサービスを利用する際に、料金が発生すので、詳細には本文のDeepSeek利用料金または公式サイトからもご確認できます。

          DeepSeekは日本語を対応しているのか?

          DeepSeekサイトには英語と中国語二つの言語しか表示されませんが、アプリには日本語に設定することができます。また、質問する際に、日本語で答えることも可能なので、日本語でも会話、チャットするもの全然問題ありません。

          DeepSeekが使えない時の対応策

          DeepSeekは高性能でありながら無料で使えるので、最近サクセス数が激増しているため、偶に回答してくれなかったり、うまく機能しなかったりすることもあります。その際に、GitMind AIからモデルをDeepSeekに設定すれば、順調に利用することが可能です。

          DeepSeekを安全に利用する方法

          現在、DeepSeekの公式サイトによると、ユーザーがDeepSeekに入力した内容は、モデルの学習やデータのトレーニングに使用される可能性があります。そのため、機密情報や重要な内容は入力しないことをお勧めします。それ以外については、DeepSeekの利用は全体的に安全です。

          deepseekによくある質問
          出典先:DeepSeek Privacy Policy

          まとめ:生成AIの未来

          以上にDeepSeekについて、開発企業からモデルの特徴、使い方や活用例まで、全部網羅的に解説しました。

          DeepSeekはAIの未来の発展に対して、どんな影響があるのかをもう少し探ってみます。

          まず、オープンソースの重要性が挙げられます。オープンソースは、将来的に強力なエコシステムを形成する可能性を秘めています。対照的に、OpenAIのようなクローズドな企業では、ユーザーは製品を購入するだけで、他の開発者がその基盤で開発に参加することはできません。このため、技術を持つ企業が独占的な地位を築き、開発者の貢献が難しくなります。

          一方、オープンソースではすべてのパラメータが公開され、誰でもモデルを展開し、改良することが可能です。これにより、参加者全員が協力してエコシステムを構築できるようになります。これまでのオープンソースモデルは、OpenAIやATTOPICのようなクローズドモデルに比べて劣っていましたが、DeepSeekの最近の進展は、オープンソースでも高品質かつ低コストで提供できることを証明しました。

          このように、オープンソースの進化は、AI技術の発展において重要な役割を果たすと考えられます。

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