NotebookLMは、Googleが2023年7月に正式にリリースした、ユーザーが提供した資料を分析・整理・要約するためのAIツールです。NotebookLMは、従来のAI生成ツールがインターネット検索やコーパス分析に基づいてコンテンツを生成するのとは異なり、ユーザーが提供した資料に基づいて内容を生成します。この記事では、NotebookLMとは何か、使用方法、そして活用事例について詳しく解説します。
目次
NotebookLMとは
NotebookLMは、Googleが2023年7月に正式リリースされたAIを活用した情報整理ツールで、ユーザーがアップロードした文書を基に、要約や重要なポイントの抽出、質問への回答を行います。
2024年9月には動画内容の要約機能が追加され、12月にはインタラクティブな音声機能と新しいデザインが導入されました。
さらに、2025年1月にはAI音声ポッドキャスト機能が強化され、ユーザーがAIと直接対話できるようになりました。
NotebookLMは最大50のソースを同時に処理でき、文書の内容をしっかり理解することで、効率的な学習や作業をサポートします。特に、Gemini 2.0という高性能なAIモデルを搭載していて、信頼できる情報を提供します。
最新のGemmni2.0が搭載され
NotebookLMは、Googleの最新AIモデル「Gemini 2.0」を搭載しています。このモデルは、処理速度が2倍に向上し、ユーザーは情報を素早く処理し、必要なデータをすぐに取得できます。
Gemini 2.0は、テキスト、画像、音声、動画など、さまざまなデータ形式を同時に扱える能力があります。最大100万トークンの文脈を理解できるため、長文や複雑な情報も正確に把握し、論理的な応答を生成します。
さらに、音声や動画のデータをリアルタイムで処理し、即座に分析結果を提供することで、迅速な意思決定をサポートします。最新のAI音声ポッドキャスト機能は生成したテキストを音声で再生できるため、画面を見なくても内容を確認できます。今のところ英語のみ対応ですが、将来的には日本語にも対応してほしいという期待があります。
NotebookLMの主な機能
高度な情報要約
NotebookLMは、ユーザーがアップロードした文書やデータを自動的に解析し、重要なポイントを抽出して要約を生成します。これにより、長い文書をすべて読む必要がなく、必要な情報を短時間で把握することができます。特に、研究論文や報告書などの情報が多い資料に対して非常に有効です。
また、分析や要約した内容については、ソースからの正確な引用を表示して生成結果の明確な根拠を示すため、すべての回答を安心して確認できます。これにより、AIが時々自己解釈をして答えを捏造することを大いに防ぐことができます。
PDF文書やWebページの自動解析
NotebookLMでは、さまざまな形式のファイルをアップロードすることができます。対応しているファイル形式は以下の通りです。無料で利用できるプランでも、すべての形式に対応しており、最大50ファイルまでアップロードして分析することが可能です。
- PDFファイル
- TXTファイル
- Markdown形式のファイル
- 音声ファイル(Mp3など)
- グーグルドキュメント
- グーグルスライド
- ウェブサイトリンク、YouTube動画リンク
- テキスト・長文
音声概要と会話
NotebookLMでは、アップロードしたファイルの内容を会話形式やポッドキャストのような音声に変換することができます。この機能を利用すれば、外出先で画面を見なくても音声を聞きながら学ぶことができるため、非常に便利です。
さらに、ユーザーは話者として会話に参加することも可能で、音声概要を聞くだけでなく、詳細な会話を通じてより深く内容を理解することができます。このように、NotebookLMは学習や情報収集をよりインタラクティブで効率的なものにしてくれます。
ただし、この機能には現在は英語のみの提供となります。とはいえ、英語を勉強されている方には、リスニング力強化に良いコンテンツになるでしょう。
チームでの共有
NotebookLMでは、チームメンバーとの情報共有が非常にスムーズに行えます。複数のユーザーとノートやメモを共有し、リアルタイムで共同編集が可能なため、プロジェクト管理や情報の共有に大いに役立ちます。
アクセス権限の設定も柔軟で、閲覧者と編集者を分けることができるため、各メンバーのニーズに応じた権限管理が実現します。閲覧者は読み取り専用のアクセス権を持ち、編集者はメモの追加や削除などの編集が行えるため、チーム全体で効率的に作業を進めることができます。
ノートブック形で使用・管理
NotebookLMの主な機能の一つは、ノートブック形式での情報管理です。ユーザーはチャット機能を利用して、インポートした資料から引用を含むノートや独自のメモを簡単に作成し、保存することができます。
ノートエディタでは、自分の考えや観察を入力した後、関連情報をコピー&ペーストして内容を充実させることができます。また、整理ツールを活用して情報をグループ化し、階層を作成・編集しながら効率的にまとめることも可能です。
NotebookLMの使い方
ドキュメントをアップロードすると、NotebookLMはその内容をすぐに理解して、あなたが読みやすく、メモを取りやすくしてくれます。そして、一緒にアイデアを整理したり、より良いものにするための手助けをしてくれます。以下では、NotebookLMの具体的な使い方を紹介します。
- NotebookLM公式サイトを開く
- Googleアカウント情報でログインする
- 「新規作成」をクリック
- 「 ソースを追加」をクリックして、ファイルをアップロード
- NotebookLMが自動的に要約や主要トピックを生成してくれる
- 会話形式でアップロードしたソースとチャットや質問
NotebookLMの活用例
NotebookLMは、学術研究、ビジネス、教育の各分野で非常に便利に活用できるAIツールです。それぞれの分野での具体的な活用例を見てみましょう。
学術研究
研究者は、NotebookLMを使って大量の論文をアップロードし、要約を自動生成できます。これにより、重要な情報を短時間で把握できます。学生や研究者が特定の論文について質問すると、NotebookLMがその内容に基づいて答えてくれます。
研究テーマに関連する新しいアイデアを考える手助けもしてくれます。例えば、特定の研究分野に関する新しい視点を提案してくれることもあります
ビジネス
ビジネスアナリストは、NotebookLMを使って市場レポートや競合分析を行い、重要なインサイトを抽出できます。これにより、戦略的な意思決定がしやすくなります。
また、過去の契約書をアップロードしておくと、NotebookLMがそれを分析し、必要な情報をすぐに引き出せます。財務諸表をNotebookLMにアップロードすると、トレンドや異常を指摘してくれるので、経営判断に役立ちます。
教育
教師や学生は、授業で使う資料をNotebookLMにアップロードし、要約や重要なポイントを整理できます。NotebookLMを使って、試験対策のための学習ガイドや練習問題を自動生成できます。これにより、効率的に復習ができます。
NotebookLMとNotebookLM Plusの違い
NotebookLM Plusは、NotebookLMのプレミアム版です。こちらは有料で、より多くの機能や利便性を提供しています。NotebookLMとNotebookLM Plusの違いについて、簡単にわかりやすく説明します。
主な違い
- 使用制限の緩和:NotebookLM Plusでは、1つのノートブックにアップロードできるソースの数が増えます。具体的には、NotebookLMでは最大50個のソースですが、Plusではその数が5倍以上になります。
- カスタマイズ機能:Plusでは、ノートブックの応答スタイルや長さをカスタマイズできる機能があります。これにより、自分の好みに合わせた情報の受け取り方が可能になります。
- チーム機能:NotebookLM Plusでは、チームでの共同作業がしやすくなります。共有ノートブックや使用分析機能が追加されているので、プロジェクトの進行状況を把握しやすくなります。
- 音声概要の増加:Plusでは、音声概要を生成する機能が5倍以上に増え、より多くのオーディオコンテンツを作成できます。
NotebookLM 個人ユーザーが無料で利用できるサービス | NotebookLM NotebookLM Plus に含まれるすべての機能 + 以下の機能 |
無料 | 月額3,130円(税込)~ |
ノートブック数が100 | ノートブック数が500 |
ノートブックあたりのソース数が50 | ノートブックあたりのソース数が250 |
● PDF、ウェブサイトの URL、Google ドキュメントおよび Google スライド、YouTube の URL などのアップロード ● サマリー、よくある質問、タイムライン、概要説明などをワンクリックで作成 ● 外出先で聴けるよう、音声の概要を生成 ● より詳細な分析情報をリクエストして、引用付きの回答を受け取る | ● 1 ノートブックあたりのリソース(音声概要、クエリ、ソース)が 5 倍に増加、作成可能なノートブック数も 5 倍に ● Plus ユーザーだけが利用できるプレミアム機能 |
他のAIツールと何が違う
NotebookLMは他のAIツールと比べると、主に下記なところが異なります。
NotebookLMは、ユーザーがアップロードしたソースからの正確な引用を表示します。これにより、生成された回答の根拠が明確になり、情報の信頼性を確認することができます。つまり、AIが生成した情報がどの資料に基づいているのかを簡単に追跡できるため、誤った情報(AI幻覚)を避けることができます。
NotebookLMの音声概要機能は、アップロードした資料の内容を基に、2人のAIホストが対話形式で解説を行います。まるでポッドキャストを聴いているかのように、情報を楽しく、かつ効果的に学ぶことができます。このように、NotebookLMは情報の整理と理解を深めるためのユニークなアプローチを提供しています。
NotebookLMを利用する際によくある質問
NotebookLMは無料ですか?
はい、NotebookLMは現在無料で利用できます。ユーザーはGoogleアカウントを持っていれば、特別な登録なしでこのツールを使用することができます。NotebookLMは、さまざまな機能を提供しながらも、ユーザーに追加料金を請求することなく、すべての基本機能を利用できる点が魅力です。
また、NotebookLM Plusという有料プランも導入されましたので、上記のNotebookLMとNotebookLM Plusの違いを参考してから、有料プランを入手かどうかをお決めましょう。
NotebookLMは日本語をサポートしていますか?
NotebookLMは日本語を含む30以上の言語をサポートしています。これにより、日本語を母国語とするユーザーも、安心してこのツールを利用することができます。ユーザーは自分の言語設定をGoogleアカウントの設定で変更することができ、NotebookLMの機能を日本語で利用することが可能です。
※注意:現時点では、音声概要機能は英語のみとなるので、ご注意ください。
NotebookLMはスマホでも使えますか?
NotebookLMはスマートフォンでも利用可能ですが、現在は主にデスクトップブラウザでの使用が推奨されています。モバイル版もサポートされていますが、機能の一部はデスクトップ版に比べて制限される場合があります。スマホからアクセスする際は、ブラウザを通じてNotebookLMの機能を利用することができますが、最適な体験を得るためにはデスクトップでの使用をお勧めします。
NotebookLMで分析した内容をマインドマップに
複雑で膨大な資料をNotebookLMにアップロードすると、AIが自動的に分析を行い、内容の要約を生成します。これらの出力を活用して、マインドマップを作成することで、情報をより深く理解し、記憶することができます。以下は、NotebookLMで分析した内容を自動的にマインドマップにまとめる方法です。
- GitMindにアクセス
- NotebookLMで生成した内容をコピーして、GitMindに張り付けて、「作成」をクリック
- マインドマップが自動的に生成され、ノードを編集したり、追加したりして、カスタマイズすることが可能
- 「保存」をクリックして、画像やPDFファイルとしてローカルに保存
- 「共有」をクリックして、マインドマップのリンクを他人にシェアしたり、共同編集したりすることが可能
GitMindはNotebookLMが生成した内容をマインドマップに変換するだけでなく、文書やYouTubeの動画リンク、音声ファイルを直接GitMindにアップロードすることもできます。そうすると、GitMind AIが自動的に内容を分析し、詳細で正確なマインドマップを作成してくれます。
会議の記録や学習、仕事のまとめなど、どれも大いに役立ちます。会議の内容を振り返ることで、次のステップを明確にし、効率的に進めることができます。また、学習や仕事の成果をまとめることで、自分の成長を実感しやすくなります。
まとめ
以上はNotebookLM及び使い方や主な機能・活用事例の解説でした。NotebookLMは、AIの技術を活用して情報の収集や分析を行い、新しい知識を得ることを容易にする、まさに次世代のノートブックといえるでしょう。
要約生成やチームでの共有など、多様な機能を活用することで、生産性の向上や業務の効率化、さらには創造的な活動の促進が期待できます。機密情報を扱う際には十分に注意しながら、日常業務に役立ててください。