ロードマップは、目標に向かっての道しるべみたいなものです。
目標に向けての道筋を見える化しておくと、みんなでその計画を共有できるから、着実に目標を達成できるんです。
しかし、どうやって抽象的ロードマップをうまく可視化し、関係者間で共有するのでしょうか。
この記事では、ロードマップの作り方を分かりやすく解説して、無料で利用できるテンプレートも併せて紹介します。
目次
ロードマップとは
ロードマップとは、英語で「Roadmap」と書いて、
「進捗管理表」、「工程表」、「計画工程図」などの意味があり、
プロジェクトマネジメントにおいて、用いられる思考ツールの一つです。
目標を達成するための具体的な行動計画が書かれていて、いつまでにどんなことをするかってのが書いてあるのが特徴です。
例えば、「5年以内に課長になりたい」って目標があったとします。そのロードマップには、
- 1年目は部署で頑張って実績を作る
- 2年目は上司に相談して管理職になるための方法を聞く
- 3年目は管理職研修に参加して必要なスキルを身につける
- 4年目は上司に推薦してもらって管理職候補に
- 5年目には実際に課長の座につく
って感じで、毎年の目標がはっきりと書かれています。
こうしたロードマップがあると、大きな目標に向けて着実に進めるし、みんなで共有できるから効果的に計画を立てられるんです。
個人のキャリアだけじゃなくて、企業の新製品開発なんかでもよく使われています。
ロードマップの基本要素
ロードマップには五つの重要な基本要素があります。基本要素を分かる上に、ロードマップの作成がもっと順調になります。それでは、ロードマップの基本要素をご紹介します。
- ゴール(目標)と期限
- 中間目標とマイルストーン
- 現状と課題
- リソースと担当者
- タイムライン
ゴール(目標)と期限
まず一番大事なのは、何を達成したいのか、
そしてそれをいつまでに終わらせたいのかをはっきりさせることです。
たとえば、新製品を発売することが目標なら、その発売日が期限になります。
明確な目標と期限があることで、チーム全体が同じ方向を向いて動けます。
中間目標とマイルストーン
ロードマップは最終的なゴールだけでなく、途中の重要なポイント(マイルストーン)も含めます。
これにより、大きな目標を小さな達成可能な部分に分けることができます。
例えば、製品開発の過程では、デザイン完了、プロトタイプ完成、テスト終了などがそれぞれのマイルストーンになります。
現状と課題
プランを立てる前に、現在の状況と直面している課題を把握することが大切です。
これは、旅行に出かける前に地図を見て、今どこにいるのか、どんな障害があるのかを確認するのと同じです。
現状と課題を理解しておくことで、計画の精度が上がり、予期しない問題にも対応しやすくなります。
リソースと担当者
目標を達成するために必要なリソース(資源)と、誰がどの部分を担当するのかも明確にします。
これにより、各メンバーが自分の役割を理解し、効率的に作業を進めることができます。
タイムライン
ゴールに向かってのスケジュールも重要です。
各マイルストーンやタスクの開始日と終了日を設定し、全体のタイムラインを作成します。
これにより、進捗状況を把握しやすくなり、遅れが生じた場合の対応も迅速に行えます。
これらの基本要素をしっかりと取り入れることで、ロードマップは単なる計画書ではなく、プロジェクト成功への道しるべとなります。
ロードマップの種類
ロードマップは様々な分野で活用されています。
製品、技術、事業、個人など、分野は多岐にわたります。
全ての種類を網羅するのは難しいのですが、主な類型を以下のように整理することができます。
- 製品ロードマップ
- 技術ロードマップ
- 事業ロードマップ
- 個人ロードマップ
製品ロードマップ
製品の現在の状態から未来の計画を時系列でまとめたものです。
新しい機能や改善点、リリース時期などを示します。
ソフトウェアの今後のバージョンアップ計画などがこれにあたります。
技術ロードマップ
技術の発展の方向性と時期を示したものです。
新しい技術開発や既存技術の改良計画を説明します。
半導体業界の次世代デバイス開発計画などがこの例です。
事業ロードマップ
会社や事業部門の中長期的な成長戦略を示したものです。
新規事業の立ち上げや、既存事業の拡大・改善計画を書いています。
企業の今後5年間の事業拡大計画などがこれに当てはまります。
個人ロードマップ
個人の目標やキャリアアップの道筋を示したものです。
学習計画や資格取得、能力開発の工程を書いています。
学生の4年間の履修計画やキャリアプランなどがこの例です。
ロードマップとマイルストーンの違い
ロードマップは、プロジェクトや計画の全体の進行方向や重要なステップを時系列で示したものです。これにより、プロジェクトの大まかな進行状況や目標が一目でわかるようになります。
ロードマップは、長期的な視点でプロジェクトを見通すためのツールです。
マイルストーンは、プロジェクトの進行中における重要な節目や達成すべきポイントです。
これを達成することで、プロジェクトが次の段階に進むことができるようになります。
つまり、ロードマップはプロジェクト全体の流れや大きなステップを示すものの一方、マイルストーンは重要な達成ポイントや節目を示すものです。
例えば、アプリを開発している場合なら、ロードマップは、全体の流れを示し、
マイルストーンはその中の重要なチェックポイントです。
これを理解することで、プロジェクト管理がよりスムーズになります。
ロードマップ:
1、企画・設計(1月〜2月)
2、開発(3月〜6月)
3、テスト(7月〜8月)
4、リリース(9月)
マイルストーン:
1、企画完了(2月末)
2、ベータ版完成(6月末)
3、テスト完了(8月末)
4、公式リリース(9月1日)
ロードマップの作り方
ロードマップの意味、基本要素、種類及びマイルストーンとの違い紹介しました。
これらの基本知識を理解した後、次に具体的なロードマップの作り方を学びましょう。
ここでは5つの簡単なステップで、迅速かつ効率的に完全なロードマップを作る方法を解説します。
ステップ 1:目標を明確する
まずは、最終的に達成したい目標を明確に定めましょう。
それは具体的なビジネス目標かもしれませんし、個人的な目標かもしれません。
そして、数年以内に実現したい理想的な状態を考えます。
ロードマップに明記する目標は、数値目標に設定するのがよいでしょう。
例えば「○月○日までに数値を〇〇%向上させる」など、
具体的な数値目標を立てることで、次の行動計画を立てやすくなります。
ステップ 2:目標を適切な節目に分割する
目標を達成するための重要な節目を特定しましょう。
これらの節目は、中間目標や重要な達成点を示すものとなります。
各節目には、期限と測定可能な指標を設定することが重要です。
例えば「市場調査の完了」や「コアメンバーの採用」などが考えられます。
ステップ 3:アクションプランを立てる
各節目に向けて、具体的な実行ステップを明確にしましょう。
各ステップには期限と担当者を設定します。
さらに、予想される障壁やリスクについても検討し、対応策を立てておきます。
例えば、「市場調査の完了」の節目に向けては、「文献調査の実施」「ユーザーインタビューの実施」「調査結果の分析」などのステップが考えられます。
ステップ 4:タイムラインの作成
目標、節目、アクションステップを時系列で整理し、全体としてのタイムラインを作成します。
ガントチャートや年表など、ビジュアルツールを活用すると分かりやすくなります。
このタイムラインには、各ステップの期限や責任者、障壁への対策なども盛り込みます。
ステップ 5:定期的な見直しと修正
計画の実行状況を継続的にモニタリングし、問題点を迅速に解決していきます。
状況の変化に応じて、目標や節目、アクションプランを柔軟に修正していくことが重要です。
例えば、市場環境の変化によって、当初の目標や期限を見直す必要が生じた場合などです。
ロードマップの作成に使う手段
ロードマップには、プロジェクトの進捗を把握し、
効果的に遂行するための4つの主要なフォーマットがあります。
フローチャート
プロジェクトの流れを図式化したものです。
作業工程や依存関係を視覚的に表現できるため、チームメンバーの共通理解を促進できます。
これにより、プロジェクトの遂行がスムーズになります。
フローチャートの作り方や使用方法なら下記ご参考ください。
ガントチャート
プロジェクトのスケジュールを一覧で確認できる工程表です。
開始から完了までの各タスクと期限が一目でわかるため、進捗管理に極めて有効です。
プロジェクトマネージャーが工程の遅れを早期に発見し、対策を打つことができます。
タスク分解図(WBS)
プロジェクトの作業工程や進捗を一覧できるよう、
プロジェクトを細かいタスクに分解し、リスト化したものです。
抜け漏れのないよう網羅的に洗い出せるため、ロードマップ作成の基礎となります。
タスク分解図(WBS)の作り方や使用方法なら下記ご参考ください。
◆ wbsの意味・書き方・ルール、そしてwbsツールについての解説
スケジュール表
プロジェクトの目標や期限を一覧できる表形式のツールです。
タスク間の依存関係がわかりやすいので、生産性の向上に寄与します。
工程表を活用することで、プロジェクトの全体像が把握しやすくなります。
スケジュール表の作り方や使用方法なら下記ご参考ください
◆ 一日・週間・月間・年間スケジュール表アプリ&テンプレートおすすめ
プロジェクトの内容やニーズに合わせて、これらのツールを上手く使い分けたり組み合わせたりすることが大切です。そうすることで、効果的なロードマップが作れ、プロジェクトの成功につながるはずです。
ロードマップ作成の注意点
ロードマップの作成にはいくつかの注意点があります。以下では目標設定から進捗確認と修正まで、注意事項を分かりやすく説明します。
明確な目標設定が肝心
まず大切なのは、目標をしっかりと明確にすることです。
「売上を上げたい」といった曖昧な目標ではなく、具体的な数値目標や期限を設定しましょう。
これがなければ、ロードマップを作ってもまとまりがなくなってしまいます。
中間目標を細かく設定しよう
次に、目標達成までの道のりを細かく分解することが重要です。
大きな目標を、いくつかの小さな節目や中間目標に分けていきます。
例えば「新製品の企画」「試作品の制作」「市場調査の実施」など、具体的なマイルストーンを設定しましょう。
実行可能な工程表を立てよう
そしてそれぞれのマイルストーンに対して、具体的な行動計画を立てていきます。
「何をいつまでに行うか」をしっかりと決めて、実行可能な計画にしていきます。
無理のない工程設定が肝心です。
見やすいビジュアル化
ビジュアル化の際も、見やすく分かりやすいものにすることが大切です。
ガントチャートなどのテンプレートを活用したり、色分けやアイコンの使用など、自分に合ったスタイルで表現しましょう。
進捗確認と柔軟な修正
最後に、計画の進捗を定期的に確認し、必要に応じて柔軟に修正を加えていくことが重要です。
状況の変化に合わせて計画を調整できるよう、常に見直しをしていきましょう。
無料ロードマップテンプレート紹介
ロードマップはプロジェクトの進捗管理に欠かせないツールの1つが、
ロードマップを作成するのは意外と難しく感じる人も多いかもしれません。
ここでは、無料で使えるロードマップテンプレートをご紹介します。
デザイン性に優れたCanvaのロードマップテンプレートがおすすめです。
無料でも使えるので、これらのテンプレートを活用すれば、手間なくプロフェッショナルなロードマップが手軽に作成できます。
ロードマップ作成に悩んでいる方は参考にしてくださいね。
製品ロードマップテンプレート①
このPowerPoint製品ロードマップテンプレートは、製品開発プロセスのタイムラインを視覚化するために使用できます。主要なイベントや里程標を時間軸に沿って示し、製品の構想から発売までの流れを効果的に表現できます。
このテンプレートを使えば、製品開発の進捗を一目で把握でき、ステークホルダーとの共有も容易になります。クリエイティビティを発揮してオリジナリティのある製品ロードマップを作成できます。
製品ロードマップテンプレート②
この製品ロードマップのタイムラインは、製品や会社の進捗を視覚的に分かりやすく表現できるPowerPointのテンプレートです。
このテンプレートを使えば、製品ロードマップを四半期ごとのマイルストーンとともに、スタイリッシュでインパクトのある形で示すことができます。プレゼンテーションやレポートに活用するのに最適です。
Microsoftのロードマップテンプレートは、誰でも簡単にカスタマイズできるのが特徴です。
テキストや画像を自由に編集できるので、自分のスタイルにぴったりのデザインに変更できます。
また、数千種類のデザイン素材が用意されているので、写真やアイコン、フォントなど、好みのものを選んで使えます。アニメーションやムービーの挿入も簡単にできるので、プレゼンテーションにアクセントをつけられます。
さらに、オンラインで簡単に共有・公開できるので、SNSやメールですぐに情報発信できます。
初心者でも使いやすいデザインなので、製品やサービスの進捗を視覚的に分かりやすく表現できるのがおすすめポイントです。
製品ロードマップテンプレート③
このCanvaの「会社ロードマッププレゼンテーション」テンプレートは、視覚的に爽やかな青基調のデザインで、遊び心のある要素が特徴です。
レイアウトは簡潔で情報を整理しやすく、重要なポイントを強調できます。
Canvaのテンプレートなので、テキストや画像、色やフォントを簡単にカスタマイズ可能です。
会社のビジョンやゴールを共有する社内ミーティングやクライアントへのプレゼン、チームビルディングイベントでの使用に最適です。
視覚的に情報を伝える工夫がされており、複雑な情報もわかりやすく表現できます。
製品ロードマップテンプレート④
この「ビジネスロードマッププレゼンテーション」テンプレートは、落ち着いた色合いで見やすく、ビジネスに最適です。
Canvaで簡単にカスタマイズ可能で、会社の計画やプロジェクトの進行状況を視覚的にわかりやすく伝えられます。
社内ミーティングやクライアントへのプレゼン、チームビルディングイベントなど、多用途に使えます。
図表やアイコンを活用し、複雑な情報も簡単に理解できるよう工夫されています。
Microsoft やCanvaのウェブサイトを探してみると、さまざまなロードマップのテンプレートをお試しいただけると良いでしょう。ご自身のお好みに合ったデザインをお選びいただけるはずです。
まとめ
本文では、ロードマップとはどのようなものかから、作り方、種類、おすすめのテンプレートまで、詳しく紹介しました。
ロードマップはプロジェクトの進捗を見える化するのに役立つ便利なツールです。
更に、テンプレートを活用すれば、デザインの心配もなく、簡単にロードマップを作成できます。
ぜひ、この記事を参考に、自分のニーズに合ったロードマップづくりに取り組んでみてくださいね。
✨ロードマップの作成にはGitMindがおすすめ
オンラインのコラボレーションマインドマップツールであるGitMindを使えば、ロードマップの作成がより便利になります。
GitMindには、ロードマップ作成に役立つさまざまな無料テンプレートが用意されています。これらのテンプレートを活用すれば、デザインの心配なく、簡単にロードマップを作れます。
また、GitMindボード上では、チームメンバーが同時に編集・共有できるので、コミュニケーションを取りながらロードマップを作成できます。プロジェクトの進捗状況もすぐ確認できるので、効率的なプロジェクト管理にも役立ちます。
このようにGitMindを活用すれば、ロードマップづくりもスムーズに行えるでしょう。ぜひ、プロジェクト管理に役立ててみてください。
GitMindの製品ページからロードマップに関するテンプレートをチェックできますので、ご興味のある方はご覧ください。